名刺デザインのバリエーションを広げる!構図を活用したラフ作成のコツ
デザインの方向性を早期に固めてクライアントの要望を整理するため、基本構図を活用した名刺デザインの複数案(ラフ)作成の実践例をご紹介します。
なるべく早くお客様と方向を一致させるために
クライアントと私たちの間で、デザインの方向性がズレたままスタートしてしまうと、後々お互いに大変な思いをしてしまいます。 「全部任せるよ」と言ってくださる場合でも、実は頭の中に「なんとなくの理想」が眠っているものです。ただ、自分のイメージを言葉にするのって、想像以上に難しいんですよね。発注に慣れていないお客様なら、なおさらだと思います。
もちろん丁寧なヒアリングで掘り下げてはいきますが、やっぱり最初に見える形で「こういう方向性はどうですか?」と提示できるのが一番確実です。その方が修正の手間も省け、お客様をお待たせする時間も減らせます。 だからこそ、最初の段階でバリエーション豊かなラフを、パパッと素早く出せることが理想だなと考えています。
具体的な形を見て初めて、「あ、これは違うな」「こっちの雰囲気が近いかも!」と、お客様の中でもイメージがクリアになっていくことが多いからです。 早い段階で目的を整理し、ブレない方向性を提案できるかどうか。 それは、最初のご提案をどれだけスピーディーに、かつ(目的から外れない範囲で)バリエーションを変えて出せるかにかかっています。
いわば「デザインの筋力」とも言えるこの技術は、とにかく数をこなして、コツコツ筋トレのように鍛えて初めて身につくもの。自分にはまだまだこの筋力が圧倒的に足りていないと自覚しているので、日々打席に立って鍛錬あるのみです。
架空案件でデザインの「筋トレ」に挑戦
というわけで今回は、「フローリストのお客様からの名刺のご依頼」という仮定の案件で複数の案を出してみました。
名刺を作るにあたって必要な要素(架空)
店舗名:緑青カノン
肩書:緑青カノン店主(または代表)/フローリスト(またはアーティスト)
お名前:山田花子
その他:住所、電話番号、メールアドレス、ロゴ、InstagramのQRコード
コンセプト、イメージ
・ノスタルジック&ボタニカル
・アンティークな雑貨やドライフラワーが並ぶ静かなアトリエ
素材(架空)

架空ロゴ

QRコード(ダミーです)
読み込みの担保でスミ黒にします。
デザインの中では少々浮くので、お客様のご要望によっては読み込み時のリスクを説明してから色味を統一します。
ルール
- ざっくりレイアウトラフなので、今回はfigmaを使用。名刺は紙モノなので本番はillustratorを使用します。
デザインのバリエーションを広げる6つの基本構図
同じような案を複数考えても筋トレにはならないので、有名な構図を元にレイアウトを置いてみます。
黄金比、三分割、対角線、日の丸、シンメトリー、トライアングルの有名な構図には、それぞれの印象、イメージがあります。
【黄金比】
調和、バランスのとれた美しさ

【三分割】
統一感、信頼感。

【対角線】
躍動感、立体感

【日の丸】
印象的、存在感、注目

【トライアングル】
奥行。下重心:安定感 上重心:緊張感

【シンメトリー(縦or横)】
相対的、規則的、きっちり

それぞれの構図で複数案を出していく
ここでクライアントさまから「面白いのにしてください」などのご要望があったら対角線、逆トライアングルなどの構図を参考にしていいのかもしれません。
今回はバリエーションごとに考えていく練習なので、各構図それぞれを考えてみました。
【黄金比】オーソドックスでスッキリまとまったレイアウトに。


【対角線/縦】お名前をまず印象付けつつ、少し動きのある印象で。


【斜線構図】対角線の応用で遊び心に挑戦。


【日の丸】店名入りロゴをまず印象付けたい。


【トライアングル】下重心レイアウトで、オーソドックスな安定と信頼感を。


【シンメトリー/縦上下】きっちり分かれて信頼感。


【黄金比その2】シンメトリーがきっちり過ぎるなと思ったら黄金比で調整。


これらをさらにフォントを色々変えてみれば印象も変わります。
別の記事ではフォントを工夫することによる影響のお話もしたいですね。
