Instagram実績投稿の罠!統一感と個性を両立するテンプレ運用
デザイン会社のチームアカウントでInstagramの実績投稿を始めた著者が、テンプレートの統一感と案件ごとの世界観の間で直面したリアルな葛藤と改善策を記録した運用レポートです。
最近、チームでInstagramの運用を始めました。過去にお手伝いした制作実績の公開や、「こういうものが作れます」という紹介を載せていくアカウントです。
個人的なアカウントは持っているものの、自ら情報発信をした経験はありませんでした。そのため、何件か投稿していくうちに様々な「引っ掛かり」が出てきました。
実績紹介に「画一的なテンプレート」を使って抱いた疑問
作品の世界観と発注者のニーズがズレるリスク
まず悩んだのが、実績紹介の投稿についてです。
最初は、どのお仕事も無難な同じテンプレートでサムネイル画像を作っていました。しかし、「ふんわり淡い色遣いのかわいい名刺」「重厚感のある配色とゴシック体がベースのポスター」「文字と写真がぎっしり詰まったメニュー表」などを同じ枠に当てはめて紹介しようとしたとき、ふと立ち止まってしまったのです。
ふんわりした世界観の名刺を求めているお客様が、超無難なテンプレートで紹介された実績を見て、果たして依頼したくなるだろうか? ポスターやWebサイトでも同じことが言えます。
もちろん、様々な業界やテイストのお仕事を紹介することは大切です。しかし、ハッシュタグなどから偶然たどり着いた方は、その1投稿の第一印象だけで判断することも少なくありません。
見る人は「自分好みのテイスト」を作れるかで判断する
方向性が真逆の制作物を画一的なテンプレートに載せている会社を見て、「自分のお店のフェミニンなショップカードを頼もう」と思えるでしょうか。私なら二の足を踏んでしまいます。「自分が一番大切にしたいニュアンスを汲み取って作ってくれるだろうか」という不安は、同系統の実績を見ない限り拭えないからです。制作者によって、得意なテイストや持ち味があるのは自然なことだと思います。
余白を活かした上品なデザインばかりが並ぶポートフォリオを見て、スーパーのチラシのような情報量の多い案件を依頼するには少し勇気がいります。
少し話が逸れましたが、要するに私が考えたのは「多様なテイストの制作実績を、すべて同じテンプレートで紹介して良いのか?」ということでした。
案件の空気感に合わせたサムネイル制作でぶつかった3つの壁
「この制作例を『いいな』と思ってくださる方は、きっと同じテイストを好むはずだ」と考えた私は、実績それぞれの空気感に合わせたサムネイルを作り、投稿していきました。配色、フォント、余白を案件ごとに細かく合わせて……。
しかし、実際にいくつか投稿してみて痛感した現実がありました。
1. 制作に膨大な時間がかかる
デザインの引き出しが豊富な方なら短時間でできるのかもしれませんが、私の場合はアップ直前になって「ここが数ミリ上かも」「引き締め色はもっと重い方がいいかも」と微調整を重ねてしまい、作業がいつまでも終わりません。
2. プロフィール一覧(グリッド)がごちゃつく
ある程度の件数を投稿した段階で一覧を見直すと、多種多様なテイストが混ざり合い、視覚的に散らかって見えました。パッと見の美しさが損なわれ、整然としていないポートフォリオを見て「ここに頼みたい」と感じてもらえる状態ではありませんでした。
3. 実績投稿であることが一目で伝わらない
「この会社の実績だけを見たい」という方にとって、サムネイルの一覧から目的の投稿を探すのが不親切な状態になっていました。空気感ごとにデザインを変えすぎた結果、どれが制作実績で、どれが他の投稿(日常やノウハウなど)なのかが見分けにくくなってしまったのです。
この違和感に気づいたとき、過去の投稿をすべて削除したい衝動に駆られました。個人のアカウントなら迷わず消していたところですが、チームのアカウントである以上、そうもいきません。
試行錯誤の末に出した答え|2パターンのテンプレート運用
これからアカウントを育てていくためにどうすべきか、改めて考えました。
テンプレートによる統一感はとても重要です。しかし、すべてを完全に画一化してしまうと、それぞれの作品が持つ魅力や空気感が損なわれてしまいます。
そこで現在は、「1つのベーステンプレートから2つの派生パターンを作り、作品の雰囲気に合わせてどちらかを選んで載せる」というルールに落ち着きました。3パターン以上作りたい気持ちもありましたが、それでは元の「ごちゃつき」と「制作コストの増大」という失敗を繰り返すことになると判断したためです。
制約があるSNSだからこそ、見せ方の工夫が面白い
異なるテイストの魅力を最大限に引き出しつつ、いかに分かりやすく整理して並べるか。SNSならではの制約があるからこそ、模索するやりがいを感じています。
今後もしばらく運用を続け、新たな気づきがあればまたここで共有したいと思います。

